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精神障がい者フットサルとは?日本代表が所属するEspacio(エスパシオ)の練習に参加してきた!

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精神障がい者フットサルとは?日本代表が所属するEspacio(エスパシオ)の練習に参加してきた!

ライター:Media116編集部

みなさんはじめまして。ゼネラルパートナーズ(以下GP)スタッフのMです。GPで障がい者スポーツ担当してます。今後、スポーツ関連の情報について随時発信していきますので、今後ともよろしくお願いします!

「精神障がい者のフットサルって・・・普通のフットサルと何が違うの?」

リオパラリンピックでがぜん盛り上がりを見せる障がい者スポーツ。ですが、パラリンピックの競技は障がい者スポーツの競技の一部にすぎません。特に精神障がいの方についてはそもそもパラリンピックの参加資格がないのが実情です。

しかし、最近、精神障がいの方のスポーツも盛り上げよう、と新たな試みがはじまっています。「精神障がい者フットサル」なるスポーツをご存知でしょうか?文字通り、精神障がいの方が行うフットサルです。

▼第1回ソーシャルフットボール全国大会 Espacio YARIMASSE大阪(第1回ソーシャルフットボール国際大会実行委員会)

「精神障がい者のフットサルって・・・普通のフットサルと何が違うの?」

例えばブラインドサッカーであれば「目が見えない状態で行うサッカー」と、その特徴は明白ですが、精神障がいの方は身体的には健常者と同じなワケで、いまいち普通のフットサルとの違いがイメージできない方もいるのでは?

カンタンにいうと、精神障がい者フットサルとは、統合失調症、うつ症状や双極性障害、発達障害といった精神障がいのある方の「リハビリ的要素」と、「勝負にこだわる要素」がミックスされたフットサル、といえば分かりやすいでしょうか?フットサル自体は、通常のものとほとんど変わりないですが、参加者が「精神障がいのある方」であり、「リハビリ的要素」があるという点が異なります。

リハビリ的要素―――。例えば、定期的に練習に参加することや、チームメンバーとコミュニケーションをとること、勝つために自身の役割を理解してプレーしていくなど、個々のメンバーが自身の障がい症状やフットサルのレベルにあわせて、自身の障がい症状を改善させていくという訳です。「人と会うのすら怖い」と引きこもっていた人が、練習に参加することで徐々に社会生活に慣れ、就業できるようになっていく―― クリニックなどのリハビリにも採用されています。
また、NPO法人日本ソーシャルフットボール協会のホームページでは、精神障がい者フットサルの活動を通じて下記のミッションを掲げています。

===
1.ソーシャルインクルージョンとアンチスティグマの実現
精神疾患・精神障がいのあるなしに関わらず、フットボールを通して交流することにより、精神疾患や障がいへの理解を広げる

2.スポーツ環境の整備と障がい当事者のリカバリー
フットボールを通じて仲間を作り、生きる力を高め、挑戦する意欲を持ち続けられるような環境を整える

3.スポーツの一分野としての確立
精神障がい者フットボールをスポーツの一分野として確立する。
===

上記3の通り、スポーツですのでもちろん「勝ち」にもこだわります。今回、練習に参加させてもらったチームEspacio(エスパシオ)は、日本代表メンバーが所属するチームだけあって非常にハイレベルな技術を持つ選手が多数所属している強豪です。

そのハイレベルさは、ちょっと練習を見ただけでもが伝わってきます。例えば「T選手」は足腰がしっかりしていて、ただならぬ体幹の強さを感じます。練習でも、強烈なシュートや献身的な守備でチームに貢献している様子がうかがえます。また、「M選手」はテクニックが抜群、華麗にボールをさばいて仲間にアシストする場面が多々。。。

パス練習の風景写真


「これはレベル高い・・・」

実際に練習に参加してみると・・・

・練習スタート前に何のために(例えば○○という大会の為に)といったことを意識して、練習に取り組もう!と目的意識がしっかり醸成されている。

・休憩の合間には、それぞれが自主的に仲間と話し合いの場を設け、経験者同士の話し合いでは、ボードを使いながら、戦術面のテクニカルな話をしていたり、サッカー未経験者と経験者の話し合いでは、こうしたらより良くなると経験者がアドバイスをしている。

・パス練習やゲームの際は、みんな積極的に声を出して、お互いを鼓舞しながら一所懸命にボールを追いかける。

・練習後には、ムードメーカーをいじったり、時には下ネタで盛り上がったり(笑)、過去に行った合宿での思い出話に花が咲いたり、、、と終始笑いがたえない。

練習合間の経験者同士のテクニカルなMTG

精神障がいの方は、他の人とのコミュニケーションが苦手で、ゆえに社会復帰が困難になっている方は少なくありません。精神障がい者フットサルは、同じ精神障がいを持つ人が集まっている、という点で、精神障がいのある方が参加する心理的ハードルを下げ、フットサル、というスポーツを通じて、他者とうまくコミュニケーションをとりながら、目標を達成する訓練を自然に楽しく実践していくことが出来る、練習に参加させて頂き、そんな事を肌で感じました。

ちなみに練習内容や練習後のコミュニケーションでリハビリを意識しているところはあるか?と聞いてみたところ

「練習中は敢えて病気や障がいを意識しないこと」

という回答が返ってきました。なるほどです。フットサルの練習や試合、人とのかかわりの中で自然に症状が改善していく、ということですね。

では逆に、、、、症状が改善された方は、精神障がい者フットサルの代表メンバーからは外れることになるのか聞いてみると、

「今のところ、手帳保持が必須ではないが、精神科に通院していることが参加条件という大会が多いですね」

とのことでした。

精神障がい者フットサルを生で観戦するには?~今後の大会予定~

11/12 第9回ガンバ大阪スカンビオカップ

場所)大阪大学吹田キャンパス「すいらん」
日時)11月12日土曜日 9時〜16時
※詳細は下記公式ページを必ずご確認下さい。
大会詳細

11/23 千葉コルツァカップ2016

場所)HONDA ZOZO PARK (千葉市美浜区若葉3丁目2-17)
日時)11月23日 9:30受付開始
※詳細は下記公式ページを必ずご確認下さい。
大会詳細

精神の障がいによりリハビリの第一歩が踏み出せない方、家族や友人で思い当たる方がいる、、、そんな方は是非、一度リアルに体験してきては?

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ライター Media116編集部

障がいのある方のためのライフスタイルメディアMedia116の編集部。障がいのある方の日常に関わるさまざまなジャンルの情報を分かりやすく発信していきます。

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