【障害年金企画】第五弾!障害年金と生活保護~「多様性」を認める社会へ~

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ライター:Media116編集部

みなさんこんにちは!Media116編集部です。障害年金企画も第五弾になりました!今回は障害年金と類似して、生活を助けてくれる制度の「生活保護」についても触れていきたいと思います。今回のキーワードは「多様性」です。早速、ねんきん博士の講義を聞いてみましょう!

障がい者と健常者の大きな年収の差

タロウくん:博士こんにちは!ボクね、これまで博士にたくさん障害年金のことを教えてもらったから、ねんきん博士に近づいてきたかもしれないよ!でもね、もっと知りたいから、今日は障害年金に関わる他のことも教えてよ!

ねんきん博士:ほぉ~、それは感心じゃな。では障がいのある人の収入についてじゃ。
平成25年に厚生労働省が調査した結果(障害者雇用実態調査)によると、平成25年10月現在の障がいがある人の月間平均賃金は身体障がいの人が22万3000円、知的障がいの人が10万8000円、精神障がいの人が15万9000円といわれているんじゃ。
人によっては働く時間も違うから、時間ごとの平均の賃金を見ると次のようになるらしいんじゃよ。

月収の例

では1年間ではどのくらいの収入になるのか計算してみると、平均で200~250万円。障がいのない人の平均給与が平成25年は平均360万円だから、障がいのある人は障がいがない人よりも100万円以上も少ないんだよね。

タロウくん:そうなの!?ねぇ博士。障がいをもつ人も障がいをもたない人も一生懸命働いているよね。ボクはお給料に差が出るのは仕方がないと思うよ。いろいろな仕事もあるし、いろいろな会社もあるからね。だけど、差が大きくなりすぎたり、生活に困るくらいしかお給料がもらえなかったりするのは、なんとかならないかなと思うんだ。

ねんきん博士:いやぁ~、驚いた!タロウくん、ずいぶん広い視野で考えられるようになったんじゃな。ワシも嬉しいよ。タロウくんが指摘してくれた点でわしが最も関心したのは、「いろいろな仕事があり、いろいろな会社がある」ということじゃ。よくここまで想像できたの~。ではワシもその言葉にもうひとつ加えてみようと思う。

いろいろな仕事があり、いろいろな会社がある。そしていろいろなひとがいる

ねんきん博士:ワシがタロウくんくらいの歳じゃったころは、多くの人が田んぼや畑で働いとったし、コンピューターもなかった。日本は国民全体が平均的に貧しかったが、何とか生活できておったんじゃ。
時代は流れて、社会はどんどん複雑になってきたね。社会が複雑になれば、タロウくんが言うようにいろんな仕事ができてくるし、いろんな会社ができてくる。会社の中には儲かるところもあれば、そうでないところもある。会社と同じでたくさんお金がある人とそうでない人が当然出てくる。
その差はタロウくんが言うように仕方がないことかもしれんの。今の社会は日本だけではなく世界とつながり、仕事も海を越えて行うようになってきておる。世界や他の国と比べて差があったり、国内でも個人の差がある。個人のライフスタイルが多様化しているというと難しいかい?

様々な働く人達

タロウくん:「たようか」っていうのは色々あるってことだよね?博士がさっき言ってた「いろいろなひとがいる」ってことだ!ボクたちが生きている社会は昔と比べていろんなことが増えたんだね。そして、いろんなことをする人がいて、それが日本人だけではなくて世界も同じで、他の国で起きることがボクたちの生活にも関係してくるってことだね。ボクや博士がいう「色々」には障がいも含まれるんだね。博士が「いろいろなひとがいる」ということを加えた意味が分かったよ。

ねんきん博士:タロウくんは鋭いの~。さすがワシの教え子じゃ。「色々」は障がいをもつ方に限らず、シングルマザーや、障がいがなくてもなかなか仕事に就くことができない人、家に引きこもっておる人なども含まれてくるね?
本当に様々な境遇に置かれている方がいて、ひとりひとりがどのように生活しているのか、そこが多様化しておるんじゃ。
タロウくん、物を買うことを消費というね?

タロウくん:うん、ボクたちのことは「しょうひしゃ」っていうんだよね。

ねんきん博士:その通り。何をどのように消費をして暮らしていくのか。それも多様化しておる。消費をするためにはお金が必要じゃ。お金を得るためには働かなければならない。

制度に必要なのは「基準」

ねんきん博士:タロウくんは「生活保護」というものは知っておるか?

タロウくん:う~ん。ニュースでよく聞く言葉だけどよく実際のことは分からないや。

ねんきん博士:仕事に就けずお金がない人、お給料だけでは足りない人に対して、生活するうえで必要な最低限のお金を国が保証する制度なんじゃ。
この「最低限度必要なお金」という考え方が難しくなってきておる。
何が難しいかというと、ワシとタロウくんがこれまで話をしてきたように、ライフスタイルの多様化なんじゃ。

タロウくん:そうか。どのような働き方をして、どのように消費生活を送るのかというとも色々あるから、最低限という基準を作ることが難しいんだね。
ちょっと待って!
じゃあボクがこのあいだニュースで見た、生活保護のお金を切り下げるっていう話は、最低限の基準が変わってしまうということ?

ねんきん博士:そうなんじゃ。生活保護を受けている人よりも少ないお金で生活してい人もおる。生活保護を受けることができる生活状況であるにもかかわらず、生活保護を受けずに生活している人もおる。先ほど話したように「経済的に厳しい生活」という状態も基準が難しくなっておるんじゃが、生活保護費が最低生活費を上回ることは社会的な公平性に欠けるということから下げられることになるんじゃな。

タロウくん:ここでも「色々なひとがいる」という言葉が当てはまるね。

老若男女手をつなぐ

ねんきん博士:そうじゃな。
タロウくん、生活保護も、これまでタロウくんと勉強してきた障害年金も、国が実施する制度じゃな?
制度に必要なものは「基準」じゃ。
さっきタロウくんが言ったように、いろいろ差が生じてしまうことは仕方がないのと同じで、基準を設けるとそれを満たす人、満たさない人が出てくる。
これも仕方がないことなんじゃ。じゃから大事なことは、せめて、ワシらひとりひとりが「色々」に想像力を働かせることなんじゃ。

いろいろな人、いろいろな境遇に想像力を働かせること

タロウくん:色々に想像力を働かせる?

ねんきん博士:例えば、障害年金をもらいながら働くことについて、もらう本人も申し訳なさを感じたり、周囲の人も年金をもらわなくていいくらい頑張れと言ってしまったりする。働くスタイルは多様じゃ。障がいを抱えながら働くこと。長く働けなければ他の方法で生活費を得る必要があること。
そもそも、障がいを抱えて生きていくこと。それらに対する想像力がひとりひとりに必要なんじゃ。色々な境遇に置かれている人がいることが想像できれば、必要な社会保障、使うべき権利に対して負い目を感じたり、周囲がとやかく言ったり出来ないはずなんじゃ。

タロウくん:そうだよね。社会自体が昔よりも複雑になっていて、いろいろな人がいろいろな生き方をしているんだよね。本当は必要なお金でもいろいろな事情で得られない人もいる。
障がいのある人の収入を見ても、年金にお給料を加えて生活している人、年金に生活保護を加えて生活している人、家族と一緒に暮らしながら年金をもらっている人など、いろいろな場合が考えられるよね。どのような場合でも、年金がなくなると生活するには足りなくなっちゃうんだよ。
「けんぽう」が言う「文化的で最低限度の生活」ってやつを送れなくなるってことなんだよね。

憲法

ねんきん博士:こりゃ参った!タロウくん、憲法まで勉強したのじゃな!
タロウくんの言う通りじゃ。何が文化的な生活なのか。国は勿論、ワシらひとりひとりが考え続けることが大切じゃ。
社会は未来に向かってもっと複雑に、もっと多様になっていく。今は家族と生活しながら障害年金を受けている人も、いずれ家族はいなくなる。そのときどうやって生きていくのか。多様な事情を抱えながら複雑な社会を生きていくうえで、障害年金も含めた社会保障は状況に適するかたちで更新されて行かなければならない。
ひとりひとりが生活を送るうえでも、制度を議論するうえでもスタート地点になってくるのが、「色々」に対する想像力じゃ。

タロウくん:そうか、相手の気持ちを考えなさい、ってよく学校でならったけど、いろんなひとのいろんな事情を想像することが大事なんだね。

想像する子供たち

ねんきん博士:そうじゃ、その通りじゃ。
タロウくん、忘れちゃいかんことは障害年金として使えるお金も無限じゃない。社会にとって必要なことにどうお金を使うのか。それを決めるのはワシらじゃな。タロウくんが大人になったとき、みんなが「色々」に想像力を働かせて、多様性を認める社会になっていることを願うよ。それではタロウくん、今日はそろそろお別れじゃ。

タロウくん:その人のスタイルでその人らしく働いて、そこに使える制度があって、それを認めてくれる社会がある。そうなればいいな。
今日教えてもらったこと、忘れないよ。ありがとう博士。またね!

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